世界的な金融危機について、今週に行われるG7財務相・中銀総裁会議での対応が注目されると、昨日のブログに書きました。
麻生総理は、この会議に出席する中川財務大臣に対して、日本が金融危機に見舞われたとき、それをどのような政策対応で切り抜けたか、その経験について発信するようにとの「異例」の指示を出したとされています。
麻生総理が具体的に中川財務大臣にどのような指示を出したかははっきりしませんが、報道を読む限りでは、日本の経験を伝え、発信する、「提案する」、「促す」というもののようです。しかし、日本として今回のG7に臨むにあたって、それで十分かははなはだ疑問です。
私は、G7において、米欧に対して、金融機関への公的資本注入も必要な場合には断固して行う強い対応策をとるよう、「要求」するべきだと思います。
私が財務省勤務時代に経験したG7においては、例えばこれまで日本が金融危機や景気の低迷などに襲われた際、米欧諸国からはそれらについての具体的な対応を「要求」され続けていました。「よくそんなこと他国政府に要求できるな」と思うようなことまで事細かに言われ続けてきました。しかし、思い返してみれば、それは国際金融の世界では常識なこと。
他国の経済危機が一瞬に自国に影響する現在の世界経済の下では、他国の経済運営についても、要求することは要求しなければなりません。そのための政策協調の枠組みであり、G7なのですから。
麻生総理のこの「やわらかい」指示は、国際社会の中で、「お人よし」と言われる日本外交の姿を垣間見させたのではないでしょうか。
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