今回のG8サミット及び一連の国際会議の結果について、いろいろな評価がなされています。私は、その中でも、菅総理とEU首脳との間の「日・EU間の経済連携協定(EPA)に向けた、予備交渉開始合意」に注目したいと思います。
自由貿易に向けた動きに関しては、環太平洋パートナーシップ(TPP)に関することが話題になっていた中で、実は日・EU間の、二地域間での経済連携協定の重要性は、早くから指摘されていました。
日・EU間の経済連携協定が成れば、日本としては、EUという大きな市場に、いろんなものを輸出しやすくなります。その潜在的効果は大変大きなものがあります。
一方EU側は、この協定の協議を進めることに、これまで今一つ前向きではありませんでした。EU側にとって、あまりメリットがないのではないかとも言われていました。EUがこの協定を日本と協議するに当って、日本に求めていた内容は、関税障壁の撤廃というよりも、むしろ非関税障壁の撤廃。日本の経済構造を高度化する上では重要な項目も含まれており、これらの面で議論が進むことは日本にもよい効果をもたらす可能性があります。
いずれにしても、これまで重要性を指摘されながら、長年にわたり協議がなかなか進んでこなかった日・EU間で、議論が進むことを期待したいと思います。