深刻な財政危機から混乱するギリシャ。国内デモも広がり、全世界的な金融市場への波及も懸念されます。
私たちは金融市場においては、国債を発行しているという意味において、「市場当事者」、「市場参加者」。
今回のような金融危機の場合、市場の激しい変動(下落)、そして他市場への急速な伝播は、極めてこわいものがあります。
日本においては、中期財政フレームを今年年央までに作るということを明らかにしています。市場は今、どのような財政健全化の道筋が、その中期財政フレームの中で示されるのか、息をつめて見守っているという状況でしょう。
少し前に、格付け会社のS&P社が、日本の国債格付けをAA(安定的)から、AA(ネガティブ)へに引き下げました。すなわち、中期財政フレームの内容を見て、AAという格付けを変更するか否かを検討するスタンスなのだろうと理解します。
まさに市場とのギリギリのやりとりの世界です。今回の欧州各国の財政危機においても、格付け会社による各国の格付けが引き下げられるたびに激震が生じています。
対岸の火事という態度で見ているわけにはいきません。世界の金融市場はつながっています。高い緊張感で市場とまっすぐに向き合う日々が続きます。