先般、米国の中央銀行が、金融政策のかじ取りの方針について、「インフレーション・ターゲティング」ではないけれど、「インフレーション・ゴール」として年率2%の物価上昇率を発表しました。
それが何を意味するかというと、「ターゲティング」であろうが、「ゴール」であろうが、私は中央銀行の「説明責任」の表し方の問題だろうと思います。
「インフレーション・ターゲティング」を導入するか否か、という議論がありますが、「インフレーション・ターゲティング」とは何かというと、結局は、中央銀行が自らの政策についての責任のあり方をどう説明していくかということであり、色々なやり方があるのではないかと思います。
例えば日本の中央銀行、日銀は、政策委員が中長期に見て物価が安定していると理解する物価上昇率を「中長期的な物価安定の理解」として公表しており、その意味するところは「消費者物価指数の前年比で2%以下のプラスの領域にあり、中心は1%程度である」としています。これも一つの中央銀行の説明責任の果たし方であると思います。
さて、問題は、日本を含め、各国が実行している説明責任の果たし方が、本当に国民の理解をしっかり得ているかということ。中央銀行としては、「この方向に金融政策を持っていく」と発表するからには、「確かにそうなる」と国民に信用、信頼されるようなものにならなければなりません。
この観点から、日本をはじめ、世界の中央銀行は、不断にその説明責任が問われます。