年金問題について、「消えた年金5000万件」の問題など、執行体制の問題が大きく取り上げられ続けている中、年金制度自体の問題も大変重要な論点です。
先日、政府の社会保障国民会議が、年金制度について、基礎年金を税金(消費税)でまかなう場合(税方式)と、社会保険料でまかなう場合(保険方式)と、将来的な国民の負担、税率などがどうなっていくのかについて試算を示しました。
具体的な数字を用いた議論となっていることは私は一歩前進だと思います。しかし、示されている試算のいろいろな前提を見てみると、「税金でまかなう方式では大変な消費税率になるんですよ」ということを、かなり意図的に見せようとしているのではないかと思います。
政府の意図は、消費税率の引き上げは不可避という印象を国民に与えようというところにあり、またさら言えば、消費税率の引き上げだけで対応すると大変だから、社会保険方式でやらざるを得ないんですよ、ということを言いたいのではないでしょうか。
「税金」というと、国民の耳にはかなりダイレクトに「負担」というイメージになります。社会保険料というと直接的な負担感が薄い、したがって国民からはとりやすい。企業からの負担もとりやすい。そのような思いから、社会保険方式にすべし、と政府は考えているのではないでしょうか。どちらにしても国民にとっては同じ負担です。
党の年金調査会での議論も活発さを増しています(写真)。今日の年金調査会での議論でも、政府のこのような試算の意図、背景についての意見が多く出されました。
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