現在の世界的な金融の混迷に関して、やや気の早い話しですが、今回の危機をなんとか政策対応で乗り切った後、その後生じるモラルハザードをどうやって乗り越えていくか、この点も大きな鍵となると思います。
G7財務相・中銀総裁会議では、「緊急かつ例外的な行動」の措置をとるとされています。解決策としては、公的資金による金融機関の救済スキームを導入して市場の不安感を取り除いていくことしかないと思いますが、公的資金の導入と同時に不可欠なのが、問題の根源となった人たちに、その問題の起こした責任をきちんととってもらうことです。これがないとモラルハザードが生じ、将来に同様な問題を再発してしまいます。
しかし今回の場合、誰がこのような問題を生じさせたかというのが極めて難しい問題です。破綻しようとしている金融機関の経営陣、あるいは株主だけが責任者かというと、そうでもないと思います。ある意味、このような金融市場のあり方を容認してきた人たち、広くいえば、米国政府の金融監督当局者なども含めて大きな責任があるのではないかと思います。さらに言えば、現在の市場関係者全てが関係者であったということかもしれません。
このように極めて広いひろがりを持つこの問題に対して、適正に責任を負ってもらうような仕組みをどう構築するのか。
冒頭述べたようにちょっと気の早い心配ですが、私には気にかかってなりません。
コメント
コメント一覧 (1件)
今回の金融危機は全容がわからないだけに対処もかなり難しいと思います
現に各国はそれなりに対処をしてきましたがあまり効果をあげることは出来ませんでした
こんな状況で日本はなにをすべきか、今一番の分岐点ではないかと思います