今年重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受けられた、染色工芸家の鈴田滋人氏にお会いしました。彼の地元、鹿島・能古見の「ふれあい祭り」でご一緒させていただいたわけです。
鈴田氏は、親子二代にわたって、その技法が謎につつまれていた鍋島更紗の復活に心血を注がれ、研究と試行錯誤を重ねつつ木版摺更紗として集大成された功績を認められ、人間国宝に指定されたわけです。
鈴田氏のすばらしい更紗の作品群を見ていると、自然の草木をデザインに取り入れたように見えるものが多いことに気づかされます。草花や木々をスケッチしてこれをデザインとして取り込んで幾何学的な文様の中に織り込んでいくことで更紗は彩られていくわけです。
今日のお祭りでの挨拶の中で、鈴田氏はおっしゃっていました。都会にはいろいろ刺激的なものがあるけれど、地元の自然の中で暮らしていたからこそ今回の認定につながったのだと思う、と。ふるさととその自然に感謝の気持ちを込められるように、そうおっしゃっていました。
ふるさとの恵みを受け、長い間のたゆまぬ努力で人間国宝に認定された鈴田氏のその言葉は、温たかく、そして重みがありました。
コメント
コメント一覧 (1件)
鈴田先生複雑な心境かな?