米国の政府債務上限引き上げ問題は、依然としてオバマ大統領と議会との間の対立が解けません。
今月半ばと言われる期限までに一定の合意ができなければ、米国債についての債務不履行状態が生じるのではないかと懸念されています。
この点について、私は今のところ楽観視しています。なぜなら、例えば政府が歳出に見あった歳入を上げる能力が著しく乏しいとか、債務返済のための流動性を有していないとか、そんな具体的な「払えない」という状況にあるのであれば心配しますが、要は国として予算を執行できる政治的意思が整うかということですから、最後には何がしかの政治的な取引がなされるのではないかと思います。
ただ、逆説的ですが、怖いのは、そのように政治的な意思ひとつで動きうる状況であるが故に、政治側が交渉の真剣さを欠き、結果としていつまでもダラダラと、結論が出たような出ていないような、中途半端な状況が長く続く可能性をむしろ心配します。今出てきている、短期的な期限の先送りなどという方法は、まさに当面だけの結論先送りに過ぎません。
そのようなことになったら、先日ブログに書いたように、ますます米国が世界でリーダーシップを発揮することはおぼつかなくなります。それが心配です。