サブプライムローン問題で、引き続き米国経済が大きく揺れ、世界経済も大きく揺れています。
そんな中、米国の政府高官から驚くべき発言が飛び出しました。為替についてです。
「強いドルは米国の利益」 これは米国がかねてから言ってきている基本姿勢です。今週、米ドルが独歩安傾向を続けることを懸念してか、ポールソン米国財務長官はさらに踏み込み、為替介入も為替相場を安定させる手段として排除しない旨を述べました。
私も長い間、国際金融市場で仕事をしましたが、ここまではっきりと米国高官が為替介入について言及したのは珍しいことではないでしょうか。通常であれば、「為替は市場が経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)にもとづいて決めること。米国のファンダメンタルズは強い」と言うところですが、介入まで踏み込んだわけです。
これは米国当局がサブプライムローン問題に対して、いかに強い危機感を抱いているかということのあらわれと言えるでしょう。
このことは、今週私が聞いた榊原英資・早大教授の講演でも、同教授が述べていましたが、榊原氏や私がかつて財務省で国際金融を担当していた際、為替介入を行う日本政府に対して、米国は「為替介入は行うべきではない」と繰り返し繰り返し述べてきていました。
平時においては「私こそグローバルスタンダード。各国は従うべき」と言わんばかりの米国も、実態はこういうものなのでしょう。
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