今月末に、第4回のアフリカ開発会議が開催されます。
この会議は、日本政府がアフリカ支援におけるイニシアティブを示していくために世界銀行との共催で開催してきているもの。
日本は、多くのアフリカの国々に対して、主要な援助国となっています。その上にこのようなアフリカ開発会議も開催しているわけです。そのような積極的なアフリカ支援を行って、その実はあがっているのか?
私は疑問ではないかと思っています。例えば、日本が国連安保理の常任理事国入りに名乗りを上げたときに、アフリカからの支持は全く広がりませんでした。アフリカの国は近年中国からも支援を受けており、中国との関係をより重要に考えているのではないかと思わざるをえなかったほどです。
なぜ、これほどの政府海外援助をアフリカに対して行ってきて、効果があがっていないのか。それは日本からの援助の提供のあり方があまりに安易だからではないかと思います。
かつて、国際金融・開発の場に身をおいて、その実情を見てきましたが、例えば、総理など政府高官がある国を訪問するときには、必ず「手土産」と言われる、援助の「タマ」が必要となります。安易な援助の提供の典型例です。
さらに日本の場合には、援助をする際に、それをテコとして「こういう国づくりをしてください」、あるいは「こういう政策を行ってください」という提言を行うことをあまりしません。一方他の先進国はそのような助言つきでの援助が常識です。援助を受ける国のほうとしては、いろいろ口を挟まれながらやっと援助を得る場合のほうが、より「ありがたい」と思う度合いが強いようです。
「顔の見える援助」をするべきとよく言われますが、私は「顔の見える援助」とは、「口を出す」援助だと思っています。そうしてはじめて、相手国は日本の援助を本当に「ありがたい」と思うのではないかと思います。
政府海外援助の原資も私たちの税金です。その税金が海外に向けられ、本当に有効に使われているか。この検証もしっかり行っていかなければなりません。
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