トランプ大統領と安倍総理との初めての日米首脳会談でした。
トランプ氏の大統領選の際の過激な発言に対して不安視する見方のあった中で、今回日米同盟の重要性を再確認できたこと自体は良かったと思います。
その上で、今後注視していかなければならないことが少なくとも3点あると思います。
ひとつは、これを受けて安倍総理は、積極的平和主義の中でさらなる大きな役割を果たす、と、言いましたが、トランプ氏の登場を「口実」にするがごとくして、安易に防衛政策拡張路線に進まないかということ。
先の予算委員会での答弁で安倍総理は、「敵基地攻撃」に関してこれまでよりも踏み込んだ発言をしています。また、25年に策定したばかりの防衛大綱をもう見直そうとする動きがあるとの報道もありました。今後、外務大臣、防衛大臣レベルでの「2プラス2」が行われるということですが、その動きはしっかりウォッチしていかなければと思います。
ふたつ目は、経済面。やはり、TPPの後、「2国間の枠組み」を議論することを受けたことです。TPPではなく2国間の協定をというのはトランプ氏の主張であり、言わば先方の「土俵」。これに最初から乗った形になっていることで、十分な交渉力を発揮できるのかが懸念されます。
そして、三つ目に、今回の合意がそもそもどの程度安定的なのかということ。トランプ氏の大統領選時のような発言は今回は鳴りをひそめました。しかしそれが本当にそうなのか。トランプ氏の閣僚チームは議会承認を経たものが少なく、体制も固まっていません。ましていわんや今後議会との関係でトランプ氏の言うことが、どう実行可能なのか可能でないのか、この点もまだ不透明です。
以上のような点は、これからも国会で引き続き確認していかなければならないと思います。