河野外務大臣が、先の記者会見で北方領土問題に関する日露関係について尋ねられた際、4回にわたって「次の質問をどうぞ」と答弁拒否をしたことに対して、陳謝しました。
陳謝は妥当だと思います。
しかし、問題はそれだけではありません。問題の本質は、例えば、「北方四島は日本固有の領土である」といった、日本のこれまでの基本的な考え方すら、ロシアに遠慮するあまりに、総理が、そして外務大臣が述べられなくなっている現状です。
交渉ごとですから全てをつまびからにできないことはわかります。しかし、北方四島が日本固有の領土であることすら対外的に言えないような、遠慮しきった状況で、プーチン大統領との交渉で国益にかなう結果が得られるのか、極めて疑問です。
結果として「二島」すら返ってこない、他方で平和条約締結、経済協力といったロシアが望むものだけ提供することになる、といった結果になるのではないかと強く危惧します。