藤井裕久元財務大臣がご逝去されました。心からお悔やみを申し上げます。
大蔵省の大先輩である藤井先生と、初めて一緒に仕事をさせて頂いたのは、私が財務省入省5年目、大臣官房財務官室の係長として赴任した際でした。細川護熙内閣の大蔵大臣として初入閣された藤井先生のもとで、対外関係の「カバン持ち」的な仕事をさせて頂き、海外要人との会談においては通訳を務め、また国際会議にも何度もご一緒させて頂きました。
その後、私が財務省を退官し、民主党に加わってからも親しくご指導を受け、民主党政権が成立した時には、鳩山内閣において財務大臣を務められた藤井先生のもとで、財務大臣政務官を務めさせて頂きました。
藤井財務大臣のもとで、野田佳彦財務副大臣、峰崎直樹財務副大臣、そして古本伸一郎財務大臣政務官、そして私。藤井先生はこのメンバーを「チーム藤井」と呼んで、チームワークよく仕事をさせて下さいました。
財務大臣を退かれた後、私が「社会保障と税一体改革」担当の内閣府大臣政務官を務めた際も、力強く支えて下さいました。
その後も様々な場面で、様々な指導をして下さった藤井先生にはいくら感謝してもしきれません。私の政治家人生を形作って下さった方です。
お酒の強い先生で、よくご一緒させてもらいました。もちろん酒量でかなうわけはありませんでした。
私の地元にも折に触れ、講演等に来て頂きました。もともと大蔵官僚でもあり財政経済通の藤井先生でしたが、佐賀で彼が多く語ったことは、「平和」についてでした。
確固たる信念で、戦争だけは絶対に起こしてはならないと繰り返し語っていた藤井先生。それは自らの戦争体験に深く根付いたものでした。
そのような背景で、日本の近現代史にも精通されていて、私たちの世代の政治家に対して、近現代史の勉強の場を多く作って下さいました。
私たちの世代の政治家に多くを与えて下さった藤井先生。突然のお別れは本当に驚きましたし、悲しいです。
私たちに今課されたことは、先生からの贈り物を、さらに次世代に対して語り、受け継いでいくこと。「チーム藤井」の一員として、そう改めて決意しています。