地球温暖化対策への取り組みは、鳩山内閣の最重要課題のひとつです。
昨晩も遅くまで、内閣官房において、菅副総理、小沢環境大臣を中心に各省の副大臣、政務官メンバーで会議を行いました。その中で、いよいよ「排出権取引制度」についても議論を始めています。
「排出権取引制度」 企業など、主要な温暖化ガス排出者に対して、一定の排出枠を付与します。温暖化ガスをうまく抑制できて、自分の排出枠を目いっぱい使わずにすんだ会社は、他社に対して、その排出権を売ることができます。逆に、与えられた排出枠内に自分の会社の温暖化ガス排出量を抑えられなかった会社は、他社から排出枠を買うことで、「セーフ」としてもらうことができます。
欧州諸国ではこの取り組みがすでに始まっています。米国でも法案が出ています。日本でも試行的な取り組みが始まっているところ。
このように「排出権」とは取引されるもの。金融商品の取引のように、価格が上下し、投機の対象になりうるものとして、金融的側面もあると言われています。
目に見えない「排出権」が投機の対象になるという、この未知の世界。これは一体何なんだろうか、といつも思います。
目に見えません。そして行政の世界で人為的、制度的に作られたものです。その上、価値を与えられ取引されます。そう言うと、現在の管理通貨制のもとでの「通貨」=「おカネ」と似たようなものでしょうか。
しかし一方で、それそのものの価値が投機の対象物のように変動します。厳密には金融商品ではないのに、投機の対象となるということは、たとえば「金(きん)」のようなものとでも意識すればよいのでしょうか。
考えれば考えるほど、新しい世界に入っていこうとしていることを思わざるをえません。排出権取引制度については、極めて技術的な側面も多く、難しい検討が目の前にあります。

