アジアインフラ投資銀行構想。アジアのインフラ整備を進めるための公的銀行として、中国が打ち上げた構想です。
ただし、中国の独善的な運営とならないか、インフラへの融資を行う上で環境問題など世界的な標準に従った融資制度となるのか等々、その運営が適切に行われるかいまだにはっきりしません。
中国にアジアの主導権を握られてはならないという問題もあります。したがって、これは国際社会全体として慎重に取り扱わなければならない課題。ところが、日米以外の先進各国も含めてすでに50カ国が参加表明をしています。
特に独、仏などの先進国まで参加表明し、今は日米が蚊帳の外になっている状況。
これは日本外交の完全な失敗です。特に他の先進国がいち早く参加を決めるという流れを読みきれなかった点が極めて致命的な外交的敗北です。
この銀行を足がかりに中国はますますアジアでの主導権を握ろうとしてくるでしょう。それに対抗しきれていない日本外交の足腰の弱さが露呈しています。
先週私はこの問題を衆議院安全保障委員会でとりあげ、外堀が埋まろうとしているのではないかと注意を喚起しました。ところがその時の政府の説明は「世界の国々ではそんなに簡単に進みませんよ」というような楽観的な感じでした。それがたった1週間経ってこの状況。
極めて深刻な状況です。