衆議院予算委員会で質疑に立ちました。今日私が取り上げたのは年金問題。
今国会に、安倍政権は、物価が上がった年でも賃金が低下すれば年金額をカットする法案を提出しています。私たちの試算では、これがもし実行されれば、過去10年間程度に当てはめてみると、年金額が5パーセント近くカットされるような案です。
今の年金制度は、政府与党は「100年間安心を保てる制度」だという趣旨のことをずっと言ってきました。2年前に、年金財政見通しの定期チェックを行った際も、引き続き100年間の安心を確保できる水準になっていると説明しました。
その2年後、突如としてこの年金カット法案です。
将来に向けて、この法案で本当にどの程度の年金が削減されるのか、その見通しも政府は示さず、全くもって説明不足です。
さらに、今日私が指摘したのは、100年間の安心が確保されている、という政府の説明そのものが、偽りに近いものであるのではないかということ。
すなわち、5年に一度、政府は年金財政の見通しを定期チェックしているのですが、その内容を見ると、その都度、楽観的な賃金上昇率などの数字をさらに毎回楽観的なものに改定することで、「年金は大丈夫」と装ってきていたのです。まさに粉飾。
それがついに行き詰まりを見せているので、今回、突如、その場しのぎ的に年金カット法案を出してきているわけです。
将来の確たる見通しも示さず、場当たり的なこの対応は、年金制度全体の信頼を高める方向には絶対に働きません。
ところが、安倍総理は今日の答弁でも、私からの、年金を本当に安心なものにするために、年金財政の現状を正直にあらわした上で抜本的に改革しよう、という呼びかけに対して、なかなか応じませんでした。
私たちの日常生活にとって年金がどんなに大事なものか、その感覚を理解しているとはとても思えない、冷淡な安倍総理の答弁だったと思います。
さらにこの問題は、衆議院厚生労働委員会などでも追及していくことになると思います。