75歳以上の高齢者について、医療費の自己負担を現在の1割から2割に引き上げる際の基準について、菅総理と公明党山口代表との間の協議で、年収200万円以上とすることで決着したと。
現役世代の将来負担を抑えるために、一定の所得のある高齢者にも負担を求める、ということが趣旨だそうですが、かなり違和感があります。
一定の所得がある高齢者と言っても、年収200万円以上ということになると、かなり生活的に厳しい高齢者にも負担を迫ることになります。
また現役世代の将来負担を抑えると言っても、もし本当にそうしたいのであれば、一昨日閣議決定された新たな総合経済対策に盛り込まれた、効果があるかどうかも不確かな事業がたくさんあるので、それらをやめる方がよほど効き目があります。それらは全て国の借金、すなわち将来世代への負担の付け回しによって賄われるからです。
菅政権の行っていることは、ことごとくチグハグです。
世代を超えてみんなで支え合うということを貫くとすると、税構造全体の累進性を高めて、所得の大きな個人、法人に応分の負担を求めることが、よほど適切です。
今の日本においては、小泉政権の頃から、税構造の累進性をすっかり失ってしまいました。