「霞が関のビジネスモデルを財務省から変えていきたい」 菅大臣の、財務大臣就任時からの声です。
その思いを具体化するために、省内で、自発的に手を挙げてくれた若手職員を中心に検討グループが作られました。若い発想で、霞が関での組織・仕事のあり方を変えていって欲しいと思います。
例えば、今の役所の人事制度は今のままで適切か。キャリアと呼ばれるクラスが横並びで係長、課長補佐、課長・・・と昇進していく仕組みはおかしくないか。慢性化している長時間、超過勤務体制は、何か仕組みを変えることで改善できないか(もちろん国会との関係が大きく影響していることは間違いありませんが)。省内での意思決定システムとしては、通常課長補佐レベルがペーパーの形で起案し、それを一ステップずつ、課長、審議官(次長)、局長、事務次官、政務官、副大臣、大臣と「対面方式」の会議で「上げて」いくスタイルですが、これは本当に効率的か、などなど多くの論点があろうと思います。
このような組織・仕事のあり方を変えるということは、仕事のパフォーマンスに直結します。仕事がより効率的、合理的にできるようになるのみならず、例えば、いわゆる「省庁間の縦割り行政」「縄張り争い」「局あって省なし」などと言われてきた、霞が関の弊害に取り除いていくことにつながっていくことが望まれます。私は、菅大臣の「霞が関のビジネスモデルを変える」という言葉には、そこまでの目的が含められていると思っています。
実は私自身、財務省官僚であった頃、10年以上前のことになりますが、財務省の仕事のあり方の改革に、私なりに熱心に取り組んだことがあります。当時財務省は、いわゆる「財務省不祥事」の後、何とか省として自浄作用を発揮し、立ち直っていく途を模索していたときでした。省内にもプロジェクトチームが立ち直って検討が進みました。私は、当時、ワシントンDCにある国際通貨基金に出向していたのですが、海外の組織に身を置き、米国財務省などの組織、仕事のあり方も近く知る立場から、色々な提言を日本に書き送ったものです。
今回の菅大臣のイニシアティブのもと立ち上がった、省内検討グループ。是非霞が関全体に「オオッ!」と思われるような画期的な提言、成果を生み出してもらいたいと思います。