円高や株安など、市場の動きが激しくなったときに、政府関係者による発言をとらえて、「口先介入か」ということがよく言われます。
しかし、私は、政府をあずかる責任者としては、現在の政策スタンス、そして将来の政策に関する見通しを、過不足なく正確かつ丁寧に伝えるのが重要であって、口先介入ということはあってはならないことだと常々思っています。
口先介入というのは、すなわち発言をもってして市場の動向を左右する意図を持って行うことだと思いますが、市場はその発言を受けて一定の期待を形成し、結果を求めるようになりますから、最終的には実現する政策が、市場が評価する全てということになります。
そうであれば、口先介入は意味をなさず、重要なのは実現する政策の中身と、そしてそれを適時に市場に対して説明していくコミュニケーション能力。これに尽きます。
そういう思いで、市場と向き合う当面の課題に取り組んでいきたいと思います。

