日本国憲法は衆議院の優越を規定しています。予算案、条約の処理、総理大臣の指名など。
この、衆議院の優越を定めた上で、憲法は、衆議院が内閣不信任案を提出できる権能を定め、かつ、それに対して、総理は衆議院を解散する権能を持つということを定めました。
これが、憲法が定めた、権力の所在と、それをコントロールする権力分立の仕組みです。衆議院の優越の既定は、国を動かしていく上で極めて重要な決めごとです。
今般西岡参議院議長が、3月1日に衆議院において予算案が可決され参議院に送付されているにもかかわらず、「参議院においては3月2日に受理した、と解釈する」としているのは、憲法が規定する仕組みを否定する、問題の多い発言だと思います。
憲法の規定によれば、予算案は衆議院から参議院に送付されたのち、30日を経れば(両院協議会での不調の場合)自然成立することになっています。これは重要な「衆議院の優越」のひとつ。これを参議院が独自に「この日に受理しました」ということを決められるということになると、憲法が定める衆議院の優越の趣旨を発揮できません。
ここは憲法の趣旨に沿った結論を、当然のごとく出してもらいたいと思います。