「反格差」とも言われる若者のデモが、世界各国に広がりを見せているのが懸念されます。
若者を中心とした動きは、中東における国家体制の交代につながりました。イギリス、米国でも、経済状況が厳しい中で「格差」を強く問題視するデモが発生し、さらには、財政危機と経済危機にあえぐ欧州にも広がりつつあります。
かつて私がインドネシアの日本大使館に勤務していた折、インドネシアの政治主導者がこう言っていたのを印象深く覚えています。「学生が通りに出て来ると、政治体制が危うくなる。」ワヒド政権からメガワティ政権に移行した頃、まだ政治状況が大変流動的な中で、学生によるデモが発生することが、政治全体の体制を危うくしかねないと言われていました。私などは、「学生の運動がそんなに力を持つのか」と衝撃を受けたことがあります。
日本においても、「反格差」のデモが起こりつつあります。若い人たちが、デモに出るという必要に迫られることのないような政治が必要です。「対岸の火事」ではありません。