アメリカの科学誌、「サイエンス」は、2011年の科学研究分野での10大発見を発表し、その中の第2位は、日本の小惑星探索機「はやぶさ」の成功を掲げました。その他にも、光合成分野での日本の研究者の成果もランク入りしています。
このように、世界の中で、日本の科学技術は高い評価を得ています。そして私たち日本人はこのことを誇りに思っています。
国家予算の面でも、科学技術予算は他の予算分野に比較して、伸びが確保されてきた分野と言えるでしょう。
その一方で同時に、事業仕分けなどにおいては、この科学技術予算は取り上げられやすい予算項目でもあります。科学技術予算に対して、どのように具体的な成果があがっているのか、評価は十分行われているか、各省ごとにバラバラでダブりや重複があるのではないか、資金の使われ方は適正か・・・・・など。「二番ではだめなんですか」という事業仕分けの際の言葉は、流行り言葉にさえなりました。
私は科学技術担当の政務官でもあります。日本の科学技術が世界的に高く評価されている一方、このような指摘を受けるような状況に、私自身若干残念に思うことがあります。
今、政府の科学技術政策を考え、実行する体制を、抜本的に改革していこうとしています。その際には、政府全体の科学技術政策の立案実行体制自体が優れたものであると、世界的にも認めてもらえるようなものにしていきたいと思っています。それでこそ本当に「科学技術立国」と言える日本になれるのではないかと思っています。