アジア開発銀行(ADB)の年次総会が横浜で開催されています。
最近は何かと中国が主導して設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)が注目を浴びていますが、私はもっともっとアジア開発銀行には頑張ってもらいたいと思います。
もともとアジア開発銀行は、日本がかなり主体的な関わりをもって設立された公的投資を行うための開発銀行です。本拠地こそフィリピンのマニラにありますが、総裁は歴代、日本から輩出してきています。
銀行の意思決定の基礎をなす「出資比率」にしても、日本は15パーセント台で米国と並んでトップ。ちなみに中国は6パーセント台で3番目です。
中国が最近主導したアジアインフラ投資銀行に比べれば、何より長年の経験によって培われた、アジアの開発に必要な組織としてのノウハウと、それを支える人材が集まっています。
我が国としても、アジア開発銀行をもう少し上手に活用すれば、アジアインフラ投資銀行を通じてアジアに対する影響力を強めようと画策している中国に対して、この面では心配する必要はないと自信を持って言える状況は十分作り出せると思います。
アジア開発銀行の現総裁は、中尾武彦氏。私が財務省時代に何年にもわたってともに国際金融問題に取り組んできた方です。是非頑張ってもらいたいと思います。