今日、衆議院本会議において、インド洋における自衛隊による米艦船などへの給油を可能とするための、いわゆる新テロ法が可決成立しました。一度衆議院において可決したあと、今日参議院において否決され、ただちに衆議院に再回付して、3分の2の多数を持って「再議決」したわけです。
憲法59条に定められている「再議決」、国会において実際に発動されたのは実に56年6ヶ月振りという大変異例な手続きを経ての可決でした。
衆議院において与党が今3分の2の圧倒的多数を持っているのは、2年半前小泉総理による“郵政選挙”において与党が大勝したから。そのときに得た圧倒的多数をもって、今大変異例な手続きとなる3分の2多数による「再議決」を行うのは、私は極めて慎重であるべきであると思います。
法案の審議の内容自体も、もっと詰めるべき論点があったと思います。特に、今回は守屋前次官の問題が発覚し、この防衛省不祥事関連でかなりの時間が費やされました。しかし私としては、論点として、例えば防衛省の担当官による給油量の誤報告があった問題や、不正に防衛省担当官が航海日誌を廃棄していた問題など、これらの問題はもっともっと突っ込んだ議論が行われるべきであったと思います。
なぜなら、こられの問題は、自衛隊というミリタリーの活動を、国会すなわち有権者の立場から統制、コントロールする、いわゆる文民統制の根幹にかかわる問題だからです。いくら文民統制をしっかり利かせようとしても、防衛省の現場から正しい情報が上がってこなかったら、情報が隠蔽されたりしたら、文民統制は利かせようがありません。そうしてミリタリーの活動を統制できなくなってしまいます。
また、今回の審議を通じて、日本の国際貢献は、米国中心であるべきなのか、国連中心であるべきなのかといった点を含め、日本の国際貢献の本質を議論する機会を提供しうるものであったと思います。しかしこの点でも議論は深まりませんでした。
11月に前のテロ対策法が失効し、日本の給油のための艦船が帰国して2ヶ月あまり。しかし、その間に日本の給油をどうしても急ぎに急いで再開しなければならないというような国際的な声は聞かれません。むしろ国際社会は落ち着いて事態を見つめているようです。それもそのはず、近年では最盛期の給油量の1割程度の給油しかしなくてよくなってきていたのですから。
そのような環境の中で、もっとじっくりとした議論があってもよかったのではないかと思いますが、3分の2の再議決による、ある意味あっけない幕切れだったという感があります。
(写真は今日夜に開催された原口一博さんの「新春の集い」の際のもの。大勢の方々に参加してもらって、大盛況でした)
コメント
コメント一覧 (3件)
「本会議を棄権したことについて? そりゃ、来年の今頃は総理の椅子
に座っているんだよ。ボクはね!
露骨に反対票を入れてサァ、どの顔さげてアメリカに挨拶行けると思う! そう云う事は、菅や鳩山にやらせておけばいいんだよ!
それが、まぁ常識だわなぁ
安全保障の観点からテロとの戦いにおいて必要な法案だから、可決は仕方ないでしょう。
国連と言っても、連合軍の名残ですよね。日本の拠出金がアメリカに次いで2番目、しかし、アメリカは滞納続きで、毎年きちんと支払っているのは日本とドイツでしたっけ。しかも常任理事国入りも出来ない。国連での演説は、日本語が禁止されているし、国連が本当に正義の組織と言えるのですかね?
2000/10/18
地方参政権は民主主義のバロメーター=定住外国人の人権を考えるシンポ開催
http://www.dpj.or.jp/news/dpjnews.cgi?indication=dp&num=1709
※民主党は積極的に外国人の地方参政権を勧めていますが、問題の多い事案ですよね。
○問題を指摘しているサイト
http://www.geocities.jp/sanseiken_hantai/
で、「政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会」
2006年度の委員一覧に大串議員のお名前が載っていますね。
http://www.geocities.jp/sanseiken_hantai/shuugiin-iinkai-2005.html
大串議員さまこの法案に対する賛否を是非お聞かせ下さい。