佐賀の女性地方議員のみなさんの集まりの場で、地方財政の仕組み、現状などについてお話しをさせていただきました。
これまで私が専門分野として取り組んできた分野でもあるので、いろいろなお話しをさせていただきました。その中で興味深かったのは、平成19年に成立した「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」についてご説明したときのみなさんの反応でした。
みなさんは、「聞いたことがあったけど詳しい内容がそんな風になっていて、これからの地方財政にそんなに大きな影響があるとは知らなかった・・・」という様子でした。
この法律、最近の地方財政の急速な悪化や、また具体的な事例として夕張市の財政再建団体化などを受けて、作られた法律です。
これまでの自治体の財政再建制度との違いは、①財政再建段階に入る前に、早期健全化という段階を導入し、より早期に自治体の財政健全化を図ることができるようにした、②自治体財政の健全性を測る指標として、より多くの指標を導入し、またフロー面だけではなくストック面での指標も取り入れることにした、などです。
②の指標に抵触するほどの財政の悪化が見られる場合には、財政の早期健全措置や、あるいはより深刻な場合には財政再生措置をとらなければなりません。この制度は平成20年度の決算から実際に適用されることになっています。その決算がでるのは来年秋。すなわち来年の秋の段階で財政状況が深刻な場合には、財政再生のための厳しい措置をとらなければならない自治体の出てくるわけで、各自治体の財政運営に与える影響は甚大です。
このような大きな枠組みの変化となる法律なのですが、この法律の内容が地方議会のみなさんにきちんと周知徹底されるような機会はなかったそうです。
この新しい法律のもとでは、地方財政の健全性確保のために、地方議会に対してより大きな責任が負わされます。その意味でこの新しい法律について議会がきちんとした認識をもつことが大変重要です。
今日の参加のみなさんは意識の高い方々ですから、勉強会というこの場で、これを知りました。しかし地方議会に対して、このような影響の大きい法案については系統だって周知する仕組みが必要なのではないかと、強く感じました。
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