以前にこのブログに来年度予算案の中の「経済緊急対応予備費」1兆円について書きました。
私はこれを問題視しています。予備費という名のもとに、国会、世論の目をかいくぐり都合よく使われてしまうのではないかと。
来年度予算編成において、「来年度予算はこういう方針で編成していきますよ」ということを定めた「概算要求基準」(シーリング)を堅持するのか否かが議論になっています。
シーリングの中に、社会保障関係費の2200億円削減、公共事業費3%削減など、極めて取扱いの難しい課題が含まれていたからです。シーリングをはずして2200億円削減をやめるのか否か、その決断が麻生総理ができるのか注目されましたが、麻生総理は「シーリングは維持する」と述べました。もちろん経済の現状に鑑み柔軟な余地も残す、と含みを持たせながら。
その結果がこの経済緊急対応予備費です。この予備費を導入するため、予備費の部分に限ってシーリングを緩めることになりますが、その他の社会保障費、公共事業費などのシーリングは維持できます。
しかし、容易に想像がつくのは、「経済が大変だから」という理由付けで、事後的にこの経済緊急対応予備費1兆円の中から、社会保障費、公共事業費に予算が回されて、実質的にシーリングをなし崩し的に緩めるという結果を作るということです。
シーリングは維持した、しかし予算はつけた。何がどう決まったのか全く国民にはわからないうちに、予算は右から左へ使われます。極めて不透明。
官僚はよく考えた知恵を出すものです。それを麻生総理はすっぽり受け入れているわけです。
コメント
コメント一覧 (5件)
元財務官僚たる大串議員なればこそ、官僚の手口はよくご存知でしょう。貴方がよく見張って下さい。私は麻生総理を支持していますが、彼にボンボン故のネックがあることも承知しています。鳩山兄弟やジャスコ岡田氏より人を食ってる分、目立ちにくいですが。貴方の目から見て、総理が官僚に踊らされていると見えたら、フォローしてあげて下さい。国益の為に党派を超えて協力する姿勢を、民主党議員さんに期待してはいけませんか?
じゃあ、国益のために党派を乗り越え、民主党の政策を麻生さんは受け入れないのでしょうか?総理に期待してはいけませんか?
私は大串議員が今回のエントリーで書かれた、1兆円の予備費についてコメントした訳ですが、ふーん様の言う民主党の政策とは、どれのことなのでしょう?
TK43さん、釣られてはダメです。貴殿は偉いのだから。
なるほど。大串議員ならではの分析ですね。
このような説明を加えていただけると、
私にも議員の問題提起の意図が分かりますし、とても勉強になります。