与党側から、衆議院憲法審査会を開催したい旨の動きがあります。しかし、少なくとも衆議院においては、延長国会のもとで完全に「正常化」、すなわちスムーズに事が運ぶ状況には至っていません。そんな中で、与野党一致の円滑な議事運営が特に求められる憲法審査会を開催する土壌は整っていないと言わざるを得ません。
与党側は、野党側が恣意的にブロックしているかのごとく言っているようですが、与党がそんなことを言えるのかと、私は思います。
例えば2015年6月4日の憲法審査会以降、同審査会を政治的な理由で長期にわたり開かなかったのは与党側でした。あの安保法制論議の真っ只中で、憲法審査会において与党が招聘した学者さんも含め全ての参考人の方々が、安保法制は違憲だという趣旨を述べられた後、与党は与党の都合で、憲法審査会を長く開きませんでした。
憲法審査会は、特に、与党が多数で押し切るべきではない案件を担当します。是非今国会においてもそうであって欲しいと思います。