食料・農業・農村基本法の改正案の審議が始まっています。あわせて関連法案の議論も行われています。
関連法案としては、食料供給困難事態対策法案がありますが、この法案の内容で大変懸念される点があります。
この法案の中で、食糧危機時には、政府がコメ、小麦、大豆などの重要産品に関して、農家に対して増産計画の提出を命じることができることになっています。
その上で、この法案では、増産計画の提出をしなかった農家に対しては罰金を課すことができるとされています。
農家に対して、こんなに懲罰的な罰金を課すことが本当に適切なことでしょうか。
この点、先の国会審議の中で問われた岸田総理は、増産をしないことに対する罰金ではなく、計画の提出を確かなものにするためなので理解して欲しいとの答弁を繰り返していますが、いずれにしても同じことです。見方によっては、増産するしないの前に、計画提出の段階で罰金があるわけですから、なお厳しいとすら言えます。
食料安全保障のために行うべきは農家に罰金を課すことでしょうか。そうは思えません。これまでの自民党農政の失敗の結果、農家は所得が上がらず疲弊し離農が続いています。そこに罰金を課し、「ムチ」をふるったところで効果があるとは思えません。
必要な施策とは、農家が安心して営農を続けられるように農業所得を確保すること、すなわち農業者戸別所得補償制度の復活ではないでしょうか。
そのような骨太な議論を、法案審議の中で展開していきたいと思います。