大阪の造幣局に、藤井大臣とともに出張しました。「製造貨幣大試験、天皇陛下御在位20年記念貨幣打初め式」に出席するためです。
製造貨幣大試験は、毎年この時期に開催されています。造幣局がつくる、数々の硬貨など。これが適正な仕様でつくられているかを、「執行官」たる財務大臣が確認するという行事です。
また、天皇陛下御在位20年を迎え、これを記念しての貨幣を世に送り出すこととしており、その打初め式を開催したわけです。
20年前に、財務省(当時大蔵省)の理財局で、私自身、「天皇陛下御即位記念貨幣」の発行を手がけました。その際には訪れる機会の無かった造幣局。初めての経験でした。
日本の造幣、そして(紙幣の)印刷技術は、世界トップレベルと言われています。これまで私も色々な国を訪問しましたが、素人の私の眼で見ても、一枚一枚、紙幣の印刷の位置がズレていたり、印刷が明らかににじんでいたり、そんなことが当たり前のような国もありました。
「通貨は国家最大のフィクション(=作り事)」 私の元上司、榊原英資さんはよく言っていました。そのフィクションを支えるのは、通貨の信頼を支える高い技術。改めて感じました。