先月、オバマ大統領は、一昨年からのリーマンショックなどの金融機関発の経済危機の経験を踏まえ、新たな金融機関に関する規制策の枠組みについて発表しました。
今、財務省内では菅大臣をはじめとして、今週末のG7財務相・中央銀行総裁会議(於:カナダ)に向けた準備のディスカッションを行っているところですが、今般のG7会合ではマクロ経済の問題に加え、この金融機関規制のあり方についても議論が及ぶことが予想されます。
オバマ政権が発表した金融機関規制案については、今後具体的な内容が見えてくるでしょうから、それを待ちたいと思いますが、私としては、銀行と証券業務(投資銀行業務)の分離を強める方向で改善を図ろうとする、今回の規制案の内容についてはやや疑問を持っています。
そもそも、今回のリーマンショックなどの一連の金融危機は、預金を取り扱う銀行が過度にリスクをとった活動を行ったことに端を発していたのか?そうではなかったのではないでしょうか。むしろ証券会社(投資銀行)や保険会社を含む金融機関がその証券業務において過度のリスクを抱える商品を売り出し、それがリスクの度合いがよくわからない証券化商品であり、さらにそれが世界中に広がっているということが基本的な問題の構造ではなかったでしょうか。
したがって、銀行のリスクテークを抑制することは本質ではなく、むしろ検討されつつもなかなか進まない、金融機関の超高額報酬の抑制策の方がよほど、本質をついているような気がします。
さて、今週末のG7での議論はいかに。
(写真は、今日、橋本・鳥栖市長、原・鳥栖市議会議長さんらの要請活動を受けたときのものです)