連日ウクライナ情勢の緊迫度合が報じられています。
欧州とロシアの間にまたがる、地政学上極めて重要な場所に位置する、戦略的な意義の大きい国です。国際政治情勢に大きなインパクトを与えます。
国際金融面でも大きなインパクトがあります。ウクライナはかねてより財政状況が悪く、大きな債務があります。しかも国内でのファイナンスが困難であることから、多くが対外債務。その総額は14兆円とも言われています。
その引受先について、詳細は明らかにはなっていませんが、私はロシアの銀行、あるいはドイツをはじめとする欧州の銀行がその主力ではないかと思っています。1997年のアジア通貨危機の後、財政危機という形で、ロシア、アルゼンチン、ブラジル、そしてウクライナへと危機は広がりました。当時私は国際通貨基金(IMF)にいて、ウクライナの対外債務の状況、そしてその引受先、さらにはウクライナが仮に債務不履行などという事態になった場合には、どのようになるか、かなり緊迫した議論に臨んだことを覚えています。
そのような基礎的な経済状況を抱えるウクライナです。もし政治状況が極めて混乱して、対外債務が償還できないような事態が生じたら、銀行の危機を通じて、ロシア経済はもちろん、欧州経済にも大きな影響を与える可能性があります。
目の離せない状況です。