今日は、午前中は昨日に引き続き予算委員会公聴会。午後は予算委員会一般質疑。
今日の公聴会では、偽装請負が疑われている「キャノン」の工場に勤める男性、大野さんが招かれ、請負という雇用形態で工場に勤務しながらも、実際は正社員から指導を受けて、正社員と同様の仕事をしているという、「偽装請負」の実態について、自らの悩みや不安も含めて語ってくださいました。
なぜ、「偽装請負」ということが起こるのか。それは企業側の人件費削減のためです。正社員と非正規社員を比較すると、企業にとって雇用コストが安くてすむのは、明らかに非正規社員。
非正規社員の形態としては、派遣社員、請負社員、パートなど多様なものがあります。その中で、派遣社員については、法律で、3年雇用したあとは企業から正社員になる選択肢を提供しなければならないことになっています。
そこで、企業側はそのような規制がない請負契約で人を雇うわけです。しかし本来は請負ですから、企業側が、請負で働きに来た人たちに対して直接的な仕事の指示、命令はできません。偽装請負とは、請負契約で人を雇いながらも、実態は正社員に対するのと同じように会社が直接指示、命令している状態のことで、違法行為です。
今日、公述した大野さんは、7年間、請負という不安定な中で勤務し、しかし仕事の実態は全く正社員と同じだったそうです。その一方、給与は正社員に比べて2分の1以下。
同じ仕事をしているのであれば、同じ待遇が保障されるべき。しかし、企業側からのコスト削減圧力の中で、同じ仕事をしていても正社員でないが故に、つらい思いをされている方々がたくさんいらっしゃいます。これが現在問題となっている格差問題を作り出しているのです。
偽装請負が問題となっているキャノンの社長、御手洗氏は、安倍総理が議長を務める「経済財政諮問会議」の民間議員の一人。国の経済財政政策に大きな影響力を持っています。格差問題が大きな課題となる中、今の政府のあり方はこれでいいのか、釈然としません。
コメント
コメント一覧 (3件)
昨年から派遣社員の雇用方法が変わったみたいで私はある会社の求人広告を見て二度目にして今月頭にその派遣会社に登録、今現在働いています。いわゆる正社員候補生の一人です。その仕組みは6ヶ月派遣社員として働き、その間問題なければ90%超の人は正社員登用という方法です。
受けてみてびっくり40人の雇用に対して倍率10倍。いかに現在の世の中は若者に雇用の場が少なく、雇用されても派遣社員とか契約社員とかアルバイトとかパートとか・・・。いったい国は何を考えているかといいたいくらいですよ。
続き・・・。私は高校卒業からして8年。ほぼアルバイトか自営業でした。今取り上げられている問題に当てはまってましたがようやくつかんだこのチャンス。でも入った中にもずっと派遣社員という方もいます。行っている会社は問題もなく正社員雇用に前向きな会社と聞きました。でもそんな中でも格差はかなりあるみたいです。
どうか一刻も早くこんな制度をなくしていただきたいと思います。しかし、ひとつ気になるのはモラル。言いたい放題とか社内規則を破る。そういった人も中に入る。そこは今の世の中変えようにも一人ひとりの自覚だと思いませんか?
いい世の中になってもらいためには何が必要か。自分の心と相談して言いたいことを述べるのが先とも思われます。
同じ仕事の内容でありながら、会社側のコスト削減の目的のために異なる就業形態を余儀なくされ、そのためにより厳しい環境で働いていらっしゃる方々の問題を、昨日の予算委員会公聴会で生々しく聞かせていただきました。ここがまさに今日的な格差の実情なんだと改めて思い知らされました。昨日公述人として来て下さった大野さんは、まさに○吉消防団さんにおっしゃるように、世の中を変えたいという思いから、自分なりの自覚を持って、勇気をもって参加してくださったのだと思います。その覚悟に我々もしっかりこたえなければなりません。