世界の金融市場の動揺が続き、さらに日本の市場も揺れが止まりません。今日の東京市場では、外国為替市場において円が1ドル102円までに急上昇。その余波を受けて株式市場も下落しました。
外為市場において円高・ドル安が進むと日本の経済に悲観的見方が走り、日本の株式市場が下がるというのはこれまでもよく見られた連鎖。外国からの需要に頼った経済構造を持つ、日本固有の不安シナリオです。
しかし、今の世界経済全体を見ると、日本経済の脆弱性もさることながら、米国経済のもつゆがみの大きさは、際立っています。
これまでそれこそ何十年も指摘されて続けてきた、米国の「双子の赤字」問題。すなわち巨額の財政赤字と巨額の貿易赤字という不均衡。この裏にある事情として、米国においては貯蓄率が極めて低く、国内の需要をまかなうために常に外からの巨額の資金流入を確保し続けてこなければなりませんでした。
この継続的な巨額の資金流入を支えてきたのが、「強いドル」思想。すなわち将来にわたってもドルが暴落することはないという、世界全体の「理解」が、米国への資金流入を可能としていたのです。
その「強いドル」が今大きく揺れています。これが本格的に揺らいだとき、米国の巨額の財政赤字と巨額の貿易赤字は一瞬にしてファイナンス不可能となります。その時の米国経済の衝撃、そしてその衝撃が世界経済与える衝撃の連鎖は想像すると背筋が寒くなるようなものです。
それが今すぐ起こるとは思われてはいませんが、かと言って将来もそれが起こらないと太鼓判を押せる状況ではないというものまた事実。
私たちが普段あたりまえのこととみなしている世界経済の安定は、実はその足元において大変脆弱なものを再認識させられます。
コメント
コメント一覧 (1件)
日銀総裁席を空席にし国家を混乱させ、我が党の存在意義を世に示すべきです。
逆らうなら酷い目にあうと民に知らしめるべきです。