今日、ある国際問題・経済問題に通暁した識者の話しを聞く機会がありました。今回の米国発世界規模の経済危機を受けて、今後の世界はどうなっていくのか、という観点からの話しでした。
その中で、歴史的大転換点という趣旨の説明が行われていました。今回のサブプライムローン問題に端を発した世界的な経済危機は、資本主義・自由主義経済の持つ問題点、矛盾をさらけ出すものであり、金融資本主義から、より「実物」経済に重きをおくような経済に転換するという意味で、歴史的転換点なんだという趣旨だったと思います。
このような説明はよくなされるのですが、私はちょっと違う意見です。
今回の経済危機は100年に1度と言ってもおかしくない規模でありかつ深刻さを持つものであることは間違いありません。そのような思いで対応をしていかなければならないでしょう。
しかし、これをもってして、資本主義や自由主義といった、社会体制、経済体制についての根本的な思想、考え方を変えてしまうようなものかというと、私はそうではなく、資本主義が必然的にもつ、「バブル」を作り出す作用が発揮され、とてつもない大きさのバブルが世界大で生じてしまったということなんだろうと思っています。
決してイデオロギーの領域での議論が必要なのではなく、資本主義、自由主義経済とはバブルを生みうるものなのだという認識の上で、むしろ極めて実務的にそのようなバブルがどのような仕組みのものでなら発生しない(あるいは発生しても小規模ですむ)のかということを考えていくことが必要なのではないかと思います。
ちょっと雑感めいて恐縮ですが、私はこう思うのですが、どうでしょうか。
コメント
コメント一覧 (3件)
大串さんが言う「バブルの発生しない仕組みづくり」は必要だと思います。
同感です。
ただしそれは良し悪しの話でなく、経済をコントロールする政治家(大串)さんの発想だろうと思います。
大串さんにはぜひその発想でその仕事を成して欲しいと思います。
一方、私は会社経営をしていますが、雑感は識者さんに近いです。
(さすがに資本主義・自由経済主義が崩壊するとは考えませんが)
経済に携わる人は実体経済を優先させ、資本原理主義(金に金を産ませて利を得る)を後退させるよう思考を変えるべきです。
理由は、お金とは人間の生活や事業を支えるためのものであり・人が使命を果たすために使うものである、この本質は今も変わっていないからです。
だから実直に事業を行う者にとってバブル騒動は大変迷惑です。
堂々巡りしますが、「バブルの発生しない仕組みづくり」を実現してくれる政治を待っています。
大串さん、期待しています。
身体に気を付けてがんばってください。
論点がずれてたらゴメンナサイ。
>発生しても小規模ですむ
このあたりを目標にmonetary controlするのが現実妥当であり、
これ以上のcontrolは実体経済への副作用の方が大きくなります。
とくに金融市場は動きが早いので、政府の過剰controlはかえって実体経済に悪影響です。
今回の危機も、サブ・プライム・ローンが悪いわけでもなく、その証券化が悪いわけでもなく、金融工学が悪いわけでもなく、
強いて言えば、
1、集約して再証券化するときに過大なレバレッジを効かせたことと、
2、日本のゼロ金利&量的緩和政策→円キャリーを含めた、世界的な過剰流動性、
この2点が世界的なバブルを大きくした原因だったと考えます。
そうですね、バブルの発生は仕方のないことなのかも知れません。
いかにそれを小さくしていくかが本当の課題だと思います