昨年秋以降、経済情勢は急速に悪化しています。これまで経験したことの無かったようなスピードで。
これに対する政府与党の対応として、昨秋に第一次補正予算、そしてこの冬に第二次補正予算が国会で審議され、可決されました。
さてそれでも追いつかない現在の景気悪化。現政権はこれに対して、まずは来年度予算を成立させる、というスタンスです。
しかし、景気の悪化があまりに速く進んでいるので、既に来年度の補正予算の話しまで出てきています。来年度予算案の審議中に来年度予算を「補正」する補正予算の話しが出てくるというのはいかがなものか、「補正」する必要のある本予算案なのであれば、そもそも本予算案の方を修正すればどうか。と、国会の議論から言えばそうなります。よって、来年度本予算案が審議されている間、少なくとも3月末までは、来年度補正予算案の話しは具体的にはできません。
しかし、この仕組み自体が問題かと思います。補正予算は何週間かという比較的短時間で編成できて、審議も数日間で国会を通ります。他方、本予算は8月末に各省から予算要求書が出てきてから、9月から12月末までかけて政府全体で予算編成作業を行って、1月から3月までをかけて国会審議する。これが流れです。
これが流れで普通の時はいいのだけれど、これだけ急速に景気が悪化するときは、何かもう少し別のやり方があってもいいのではないか、与野党を超えて知恵を出すべきではないか。そんな感じがします。例えば、本予算審議中でも補正予算案を考えることはよしとするとか、あるいは本当に本予算を修正することを考えるとか・・・・・
予算編成作業、審議というプロセスに関する問題ですから、何か技術的に解決する知恵はありそうなものなのだけれど・・・・政治の責任です。
コメント
コメント一覧 (7件)
> 補正予算は何週間かという比較的短時間で編成できて、
> 審議も数日間で国会を通ります。
我が国の参議院は異次元空間にでも存在するのか?
今の日本に消費拡大が必要なのに 僅か2兆円、それも将来回収の必要な銭。米 では金持ちに増税とか?。
日本は個人預貯金 1500兆という、消費拡大の可能な銭が有る。
誰もなぜ これに目を向けないのか?。
これに 一割の税をかける、但し消費(2年)すれば還付する。
金利は倍 上乗せすれば良い。2年で150兆の消費喚起。
銭は廻す必要が有る。
ここ最近の国会議員の先生方の話を聞いていると、「国民の為」という言葉はほとんど出てこず、「選挙に勝てない」「選挙が乗り切れない」「政権を取る」という所謂自分達の事ばかりを言う人が多いです。
テレビに出てる人は一応「国民が」という言葉を使ってらっしゃるけれども、やっぱり自分の事だけしか考えてないんだな、と思いました。
岡安さんが言われてる個人預貯金への課税は短期的に見て「選挙ではマイナス」という思考が国会議員の先生方にはあるので、そっちは実現性は低いんじゃないかと思います。
消費拡大で景気回復というのは、非常に良い事だと僕個人も思いますが・・・
>与野党を超えて知恵を出すべきではないか。そんな感じがします。
イギリスの国会はすでに今回の不況に立ち向かうため与野党協力体制になってますよね。
しかし現在の野党は口を開けば批判と政権交代しか言わない、じゃあ具体的な政策はといえば、お茶を濁す始末。
また与党自民党内も総理を下ろすとマスコミに威勢よく言って足を引っ張り、国民に不安を与えている。
結局は内閣が国政をまともに出来ず、グダグダと解決策が見出せないのは政治家のせいではないでしょうか?
補正予算は、加算のみですか?
政治家の責任、非常に重いので早く、早くなんとかしないと日本がおかしくなります。もはや楽観視できない状況だから、自民の反麻生発言も出たということですよね。
本予算審議中に補正予算を云々しても、私は構わないと思います。但し補正予算をネタに、野党が本予算の審議拒否という本末転倒の挙に出ないという前提ならです。
岡安様の主張する個人の預金を使わせる手は、理解はできますが方法に無理があります。例えば家を買う為や老後の為に長いスパンで懸命に貯金されている方々は、こぞって預金を解約し、箪笥貯金に切り替えるでしょう。金融機関の体力と信用はがた落ちしますよ。