予算案の審議が参議院で進む中、衆議院の方では、各委員会における法案審議が始まっています。
私が所属する農林水産委員会での今国会のもっとも大きな法案は「農地法等改正」。これまで、農地の所有者が耕作をする、という原則になっていたものを大きく転換し、所有者でなくとも利用者(賃借を受けた者など)でも耕作者となれるという方向性を指向するもの。
その基本的考え自体に大きな違和感はありませんが、具体的な内容を今後詰めていかなければなりません。今日の農林水産部門役員会でもそのあたりが議論となりました。(写真)
特に株式会社の農業への進出が大きな論点となることが予想されますが、私としては、この法案の中の「農業協同組合(農協)も農業経営に乗り出すことができる」とされた点に注目しています。
確かに私の地方を考えても、ただちに株式会社が農業経営に参入してくるかというとそうはならないかもしれません。そんな中で参入主体として考えられるのは農協。農協が土地を賃借し、農業者を雇って農業経営を行うという可能性です。
それでうまくいく可能性もあるとは思いますが、ただ、気になるのが、地元の農家の皆さんからも「農協は農協のための農協であって、農家のための農協ではない」というとらえられ方をされていること。農家の所得がなかなかあがらない中で、農協は官僚組織化して自己目的のために存在しているという見方が強いのです。
さらに私として、現在の農協の政治的な偏りは大きく気になります。伝統的な与党(のみ)支持。農協法の中には、他の類似の法律の中にはある「政治的中立条項」すらありません。農協本体ではやりにくいので、農政連という政治団体を作って政治活動を行っていますが、その実態は農協そのものです。
そのような課題を抱える農協が、農業者を雇う形で、地域の農業経営体としてあらわれてくるという可能性を秘めてくるわけです。これがうまく機能するためには、農協が真に農家のために働く組織に変わっていくこと、そして政治的な中立を確保すること、この2点は必ず確保していかなければならないと思います。
コメント
コメント一覧 (8件)
西松建設献金事件は自民党にとってチャンスです。
志の高い自民党国会議員のみなさん、記載漏れがあったとか、返すとかセコイこと言わずに、きれいさっぱり議員辞職したほうがいいのでは。
そうすれば、国民から間違いなく「潔い」、「見直した」「さすが自民党」と賛美の声が上がるでしょう。衆議院選挙も大勝間違いなし。
チャンスだ自民党。こういう時にこそ議員辞職して、小沢さんとの違いを明確にしてくれ!
期待しているよ。
農協の為の農協が今の実態というのは農家から見るとそうだと思います。でも 農協が農地を借りたり買ったりして給料を払って農業を経営するというのは それはそれでいいのではないかと思います。仕事がきつい汚いというのも後継者が育たない原因かも知れませんが 収入が少ないというのが一番の原因だと思いますよ。給料をもらって農業するならそれもいいと思いますよ。うちでも 後継者のいない高齢者の農家の方から農地を売りたいが荒らしてしまうとますます売れなくなってしまうので 農地を維持してほしいとたのまれて作っている農地が4件分 買ってほしいという方も数人見えられますが、夫婦二人と結構歳のいった母の三人では 限界です。人を雇う余裕も無く農作業に来てくれるのは70~80歳前後の人がほとんどです。一年中雇えなし 賃金も少ないのでしかたないのですが 農協が職員を入れて農業をするなら給料という点でも一年中というてんでも 条件はかなりよくなり 若い人が少しでも来てくれるのではないでしょうか?田舎では若い人達の 働ける企業が少なく 都会に職を求めて出て行きます。どんどん過疎化と高齢化進んでいきます。働ける場ができるのはいい事だと思います。
大串議員は7日のエントリーで「みんなで団結すれば農政連に負けない組織になる」との農家の方の発言を紹介していますが、農政連=農協だから、農政連が特定政党に肩入れするのはけしからん!ということであれば、上記発言中の「組織」は民主党の支持組織ではないと考えて良いのでしょうか。この人達だって農協の一員でしょう、農政連と立場は同じはずでは?
誤解のないよう追記しますが、私は半官僚組織化した農協の改革には賛成ですし、政治的中立を課すのも賛成です。
しかし例えば、同じように政治的に中立でなければならないはずの教育について、日教組の親玉興石氏が「中立などあり得ない」と事実上の左翼教育容認発言をしていたり、政治的中立が法に明記されている公務員(の労組)を支持母体としているなど、民主党特有のダブスタ臭がプンプンするんですよね。
主体思想なる物を研究して褒められ喜んでいた団体があるそうですね。
大阪のある学校では国旗国歌に対して無言着席を命じる先生がいると話題でした。
今日は卒業式が多かったので扱ってみましたが、佐賀でもそういう先生がいるのでしょうか?
もうすぐ子供が進学するのでそういう人に当たらせたくない。
興石なんぞが上にいる党なんて本当に恐ろしいですよ!
これまで兼業農家を促進して日本の農業の競争力をそぎ落としてきた農協が参入して、農業の生産性や農家が農業で儲かる仕組みを作れるのかは疑問ですね。理想的には民間も参入して農協と民間が参入を競って切磋琢磨していくような状況を創ることが、農家や日本の農業の競争力強化ひいては農協の自己保身化した官僚組織の解体にもつながるのでしょうか。
ただ農協の政治的中立性については必要ない、というかそもそも私自身政治的な中立は存在しないと考えているほうなのでどうかと思いますね。もしも農協が伝統的な与党のみ支持ならば仮に民主党がそのポジションに取って変われば、いい意味でも悪い意味でも有力な民主党の支持団体なり利権団体になってしまう分けですし。それよりも農家と農協とがある程度対等な力関係、拮抗したいい意味での緊張感をもたせることが全体的な中立性を確保しやすいのでは。
農協に対する認識に少し間違いがありますね。
専従職員は兎も角、出資者である組合員にまで政治的中立を求めるって・・・
単位農協は組合員の総会で物事は決まります。
営利を目的とした農業従事者が出資している以上、色が付くのは当然です。
ただし、官僚機構化した全中・全農・農林中金については改善が必要でしょう。
農協はもはや農家にとってなんの役にもたたない組合です相互扶助の精神のもとに設立された団体でしたけれども今は農家から多額の手数料等をとり本業の営農指導はおろそかになり一部の有力理事に経営された農協はこれから先農家から信頼を得られるか疑問ですまさに農家は伏魔殿みたいです