政府というのは、ある意味、日本で最大級の「組織」です。この組織を上手に活用し、使いこなしてこそ、よい政策を作ることができ、よい行政が実施できます。
今回の玄海原発に関する、政府首脳間の見解の不統一感は、政府を組織として十分使いこなしていない結果ではないかと私は思います。
私自身、この間、玄海原発の再稼働問題について、佐賀県内の県民全体の声が極めて慎重なものであることを、大臣レベルにも伝えてきましたし、同時に資源エネルギー庁、原子力保安院といった役所レベルにも伝え、組織の上下に向けて出来るだけ意思疎通を図るべくやってきました。
しかしこの数日間においては、この政府組織内での意思疎通が明らかに不十分だと、政府の外の私にも感じられる点がありました。
特に、政治家=大臣レベルと役所=事務レベル間での意思疎通の欠如。私が大臣レベルと話した内容を、私自身が事務レベルに通訳して伝えるということすらありました。本来であれば、第三者の私経由ではなく、大臣⇔事務という通常の指揮命令系統で情報は伝わっていくべきです。
今回、菅総理と海江田大臣らの間で、「ストレステストの終了が再稼働の前提条件なのか」という点について、意見の齟齬が見られました。この点についての統一見解を早急にとりまとめることになっています。
そもそもストレステストというものが持ち出される際に、事務レベルも介在させて上で十分な議論がなされていたのか。大臣間だけで「空中戦」のような議論が行われていたのではないか。事務レベルも十分交えた上で大臣間での議論が行われていれば、今回のような大臣間の意見の齟齬は顕在化する前に調整されていたのではないかと思います。
かねてよりの私の持論であり、主張ですが、「組織で働く」。これに尽きます。



