国際金融市場に緊張感が走っています。欧州諸国の財政赤字危機に加えて、米国でも財政赤字をめぐって与野党の対立が続いているからです。
米国では、政府が負える公的債務に上限が法定されていて、これが近々その上限に近付きつつあります。与野党で合意をえてこの上限を引き上げる交渉が行われているのですが、増税と歳出削減をめぐって、民主党・共和党との間の議論が先行きが大変不透明になってきています。最悪の場合には、債務がこの上限に届いてしまって、その場合には8月にも政府は支出を行うことができず、すなわち国の役所が閉鎖されるなどということすら起こるかもしれないという情勢です。
このことが、米国の国債の信認を揺るがせ、国債金融市場全体の不安感につながっているのです。
この米国の情勢、今の日本の情勢に大変似ています。与野党で財政赤字への対応を協議している、しかしそれがうまくいっていない、下手をすると近々予算を支出することができなくなるかもしれない、それを金融市場は大変心配して見ている・・・・瓜二つ。
そして両国とも、この事態を打開するために必要であり問われているのは、与野党が協議し、妥協し、結論を出す、「政治の力量」です。



