東京金融市場の動揺が続いています。
株式市場の動きと共に国債市場にも注目が集まっています。何せ「異次元の金融緩和」の結果、新発国債7割を日銀が吸収ことになったわけですから、国債市場の動きも通常通りというわけにはいきません。
10年物の国債金利が0.8%なのか1.0%なのか。その動きが大きく報道されます。0.2%ポイントの動きですから、それがそんなに大きなインパクト?と思われる方々もいらっしゃるかもしれませんが、国債を大量に保有する金融機関の側からすると、この違いは極めて大きいのです。
国債金利が上昇するということは、金融機関の保有している国債の価格が低下するということです。
今日本の金融機関は長引くデフレの中で、資金の貸付先、運用先をなかなか見つけ出せず、結果として大量に国債を保有しています。ですから少しでも国債の価格が低下すると、彼らの財務の健全性に直接響くのです。
特に体力の弱い地域金融機関は、この影響が厳しくのしかってきます。「国債の売りが売りを呼ぶのではないか」などと言われることがあるのもこのためです。
国債金利変動の金融機関の財務に与える影響。これが鍵です。