金融庁の、検査局が監督局と合体するということです。時代も変わったなと思います。
私が金融庁監督局で勤務したのは2003年から2005年まで。銀行の不良債権処理問題で大荒れの頃でした。
検査局が銀行検査で問題のある融資を精査し、監督局がそれをベースに指導・監督を行う。そんな役割分担の中で、不良債権比率4パーセントという目標に向けて下げていくことに、まさに「昼夜を分かたず」取り組みました。
時代は変わって、今や銀行に対しては、不良債権を増やしてはいけないという指導より、いかにお金を貸すかという指導の方がより重要になってきているということなのでしょう。
その考え方はわからないではありませんが、銀行が不良債権を増やす可能性が無くなったかと言えば、私はそうではないと思います。
例えば、マイナス金利下で、融資を伸ばさなければならない銀行が、過剰なアパート融資に走ってしまっている懸念はないでしょうか。
このようにバランスの難しい問題は、私は依然として残ると思います。そういう意味で、銀行に対して、オンサイトでチェックする仕組みはある程度残さざるを得ないと思います。