昨日菅総理が方針転換の結果として示した、感染急増地域において、中等症患者であっても、重症化リスクがないと判断される場合には自宅療養させるという考え方が大きな反響を呼んでいます。
当然です。この方針が本当に施行されれば、多くの方々がさらに深刻な命の危険にさらされる可能性があるからです。
最大の問題は、中等症患者の中で重症化リスクのある場合にのみ入院、とされていますが、これを誰が、どのような基準で判断するのか。
誰が判断するかという点については、例えば保健所がこれをできるかというと、既に保健所は目一杯の状態であり、難しいでしょう。
では医師、看護師が往診やオンライン診療で対応できるかというと、現在東京だけでも1万4千人を超える自宅療養者がいる中で、毎日きめ細やかな対応が可能とはとても思えません。
加えて、どのような基準で判断するのかという問題があります。この具体的な基準は、政府からは全く示されていません。
これらを含め、今回の方針転換は、極めてずさんでつめの甘いものあることは明らかです。
特に、新型コロナ感染は、急激に容態が悪化する可能性があるものと言われています。そのような中で、今回の方針転換は、「人命」という観点からは極めて危険なものと言わざるを得ません。
「自宅療養」とは名ばかりで、「自宅で放置」に近い状態になるのは必至。
これまで数々の判断ミスを犯してきた菅政権。今回の判断ミスは極めて重大かつ深刻です。これは一度撤回して、さらに詳細に制度設計を行なった上で、やり直すべきです。