米国発のいわゆるサブプライムローンの問題が、さらに大きく広がってきています。
当初は、「日本の金融機関はあまりサブプライムがらみの証券化商品には投資をしていなかったから、あまり痛手を負っていない」、と言われていましたが、中間決算の発表が近づく今になって、日本の金融機関においても、大きな損失を追っていることが明らかになってきました。
ある大手日本金融機関のヘッドの記者会見を見ました。その中で、こんな言葉がありました。損切りをして、証券化商品を売ったらどうかという趣旨の質問に答えたものだと思いますが、「売れないんですよ。今売れば二束三文になってしまうんですから・・・・」との答え。
私はこれには非常に残念な思いをおぼえました。ここで述べられていることは、含み損が発生している金融資産を、含み損が発生しているということを知りながら、実損を会計上出したくないがために売却しない、ということです。これは実は、15年以上前に、かの不良債権問題が生じたときに、多くの日本の金融機関がとった態度そのもの。
含み損が生じたら、できるだけ早期に会計上の損失を確定させ、オフバランス(売却など)するというのが、とるべき対応として、日本は学んだ「はず」でした。
しかし、その教訓が全く活かされていない。しかも日本を代表する金融機関において。それが真実であれば、日本はふたたび金融発の長い不況のトンネルに入っていくのでしょうか。
コメント
コメント一覧 (2件)
サブプライム問題(アメリカにおけるサブプライムローンの債務不履行による世界中の金融機関の損失問題)
はっきり言って癌ですね
金融機関は癌細胞がもう全身に転移してしまって このままホスピス直行 てな具合になりそうな予感です
これから先のおおざっぱなシナリオとしたら
サブプライム問題で金融セクターがゴタゴタになって
世界各国の中央銀行が資金の供給をやってはいますが
その資金は一次産品の価格上昇の燃料になっている模様ですね
銀行は銀行で(バブルの後の貸し剥しみたいに)
資金の回収に走るだろうと思われますので
一般の企業の資金がショートして景気が後退していくと思います
これからは一次産品の上昇による価格の上昇と
景気後退による賃金の下方圧力のコンボが日本を襲うと思うけど….
外れてほしいです
あっ!消費税の事を忘れていた…….outかな?
完全にスタグフレーションになりそうですね
本当に必要なことは合理的価値の測定ではないでしょうか。
市場はこのような場合万能ではないので市場気配に頼るのは如何なものかと。
リスク管理が進んでいるといわれる外証あたりもFASB157のレベル3で評価損等を算出し、気配が下がっていくとなれば、むしろリスクテイクしていくという行動になるのではないでしょうか。もちろんバーゼルⅡの規制等もあるので行動に制約はあるのでしょうが。
単純な売却・損失確定が全てというスタンスはむしろ邦銀の競争力を弱める方向に働くように思います。