安倍総理がよく使うフレーズがあります。「安倍政権で税収が21兆円増えた。このアベノミクスの果実を活用していく」
この21兆円のうち、8兆円は消費税率の5パーセントから8パーセントへの引き上げによるものであり、アベノミクスの果実ではないことは安倍総理も認めています。ではこれ以外は、本当にアベノミクスの果実であって、今後も活用できるようなものなのか。
私たちは、これは怪しいと考え、何度も財務省に、この税収増が本当に安定的なものなのか、特に、一時的な株価上昇などによる税収増に過ぎないのではないかという観点から分析を求めてきましたが、いまだそれは示されていません。
それどころがその反証が出てきています。
先日財務省が発表した2015年度の税収見通し。ついこの1月に議論した補正予算で示された数字が、もう下方修正されました。特に法人税収は1兆円近い下振れ。
これが「税収」です。私は自分自身の経験から、いかに税収というものが振れやすいものか、身にしみてわかっています。21兆円税収が増えた、アベノミクスの成果だ、と楽観的言えるような おのではありません。
私は、今回の税収見積もり減は、アベノミクスの「終わりの始まり」を示すものと見ました。