経済産業省の北畑次官が講演会において、ネット上で株式の売買を行うデイトレーダーについて、「本当は競輪場や競馬場に行っていた人が、パソコンを使って証券市場に来た。最も堕落した株主だ。馬鹿で浮気で無責任なので、議決権を与える必要はない」と発言したことが大きな波紋をよんでいます。
私はこの発言に大変驚きました。日本の株式市場を拡大し、高めていくには個人投資家の裾野を広げていくことは必須。そしてそのためにネットを通じて売買に参加する人が増えていることは必然の流れです。
それに対して上記のような発言は常軌を逸しているし、またこれが経済産業省という日本の経済政策をつかさどる役所のトップだということは残念です。
私が以前、金融庁で銀行行政を担当しているときに、いわゆる「ダイエー問題」が起きました。当時経営が悪化していたダイエーを産業再生機構を通じて再生していくか否かが問われたのです。その際経済産業省からは猛烈な反発が来ました。
すでに当時のダイエーの経営状況を前提とすれば、産業再生機構を通じて抜本的な改革を行っていくことが必要なことが明らかであったにもかかわらず、経済産業省の態度は「産業再生機構送りにするとは何ごとか!」という感じで、あくまでも経済産業省の指導の下で何とか立て直していくからいいじゃないか、という雰囲気でした。いかにもありがちな「抜本改革先送り」そのものでした。
その際の担当局長が北畑氏。今回の発言を聞いて、繰り返しですが残念な思いでありました。
コメント
コメント一覧 (1件)
■「要は経済オンチなんじゃないですか」・・経済産業省の次官が「経済オンチ」・・日本の官僚のレベルは?・・悲しい・・さみしい・・日本の未来は?
エコノミストの池田信夫氏は自らのブログで、「彼が問題なのは、反資本主義的な姿勢にある。彼の頭の中には通産省の栄光の時代の産業政策の亡霊がまだ徘徊しているのである」と指摘している。
官僚の中で反資本主義的な姿勢の「要注意人物」が霞ヶ関に徘徊しています。天下りあっせんの禁止」に公然と反対してみたりと、とにかく「古い霞が関」体質をひきずった官僚がたくさん見受けられるようです。
大串さん頑張って!!