東京都の石原都知事は、5年前、知事選での公約を果たすとして、都が全額出資して銀行を設立しました。都の出資額は1000億円でした。
しかしただでさえ、地域銀行をはじめ民間銀行がしのぎを削るこの領域で、公的な息のかかった銀行が、経営としてうまくいくことはありませんでした。貸付の焦げ付きが続き、昨年9月期までで開業後の累積赤字はほぼ1000億。当初の出資額を吹き飛ばすものでした。
この局面で都はどうするか。「破綻させたらコストがかかる」として、400億円の追加出資を行う方向のようです。これもすべて都民の税金。
抜本的にこの銀行の経営が改善することも期待できない中、先行きが見える追加出資とはとても言えません。
しかし不思議なのは、東京の方では、このことに対してあまり納税者は怒っていないようであること。1000億円まず食いつぶして、そして将来展望はないのにさらに400億円を突っ込んでいこうとしているこの現状。普通に考えれば納税者としては納得できないところだと思います。
このようなことさえあまり問題にならないほど、東京は裕福だということなのでしょうか。地方の現状からすると別世界のような感すらあります。
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