4月1日から、「後期高齢者医療制度」が開始されました。
一昨年の「医療制度改革法案」が成立したことによって、その結果、実行されることになった政策です。
私たちは、高齢者の方々に医療費負担増を押しおしつけるこの法案に大反対しました。しかし当時与党多数のもと強行採決されたわけです。
この新しい保険制度のもと、75歳以上の高齢者の方々はすべてこの新たな保険制度に加入して、保険料を支払わなければなりません。高齢者の方々には、特に所得の低い方々にとって大きな負担増になると言われています。
この制度が大変不人気であることを受けてか、それが実行される昨日4月1日になって、その名称が「後期高齢者医療制度」から、「長寿医療制度」に急遽改められました。
あまりに唐突な、しかも名前だけの変更。どのような狙いなのでしょうか。
確かに、この名称には大きな不満の声が上がっていました。これによると、私の父や母も「後期」の高齢者ということになります。人の大切な人生に対して、後期とは一体何なのか、と言いたくなるような名称です。
農業政策についても、同じようなことがありました。「品目横断的経営安定対策」。これが先の参議院選挙において大変な不評を受けたことが明らかになると、その制度自体は変更せずに、その名称だけ、「水田・畑作経営所得安定対策」と変更されました。
あまりに安易なこの政府・与党の対応。本当に国民の生活の苦しさを感じているのか、大いに疑問です。
(写真は昨日に引き続き、今日の有明海漁民の皆さんらとの院内集会の際のものです)
コメント
コメント一覧 (1件)
ブログ中、「保険」とありますが、後期高齢者医療制度は、「保険」とは言えません。健康保険組合や国保における市町村のような保険者がいません。市町村に聞けば、オレたちは保険者ではないと言うでしょう。加えて、そもそも75歳以上という(正確には65歳以上で寝たきりの方なども含む)疾病リスクの高い人だけを集めて、特に「社会保険」は成り立ちません。リスクの高い人も低い人もプールして社会保険になる訳です。
したがって、名称を「長寿」にするか否かという表層的なことより、後期高齢者医療制度という仕組みそのものの見直しが必要です。複数の専門家からも、前身の老人保健制度の方が良かったという話をききます。後期高齢者医療制度はスキームが複雑で、06年6月の法改正のときも、多くの人が中味が分からないままだったのではないでしょうか。民主党も改正法案の審議をするというよりも、個別疾病の話に偏重してしまった感があります。