日銀総裁人事報道などの影に隠れて、地味なニュースとなっていましたが、地方分権に関する報道が出ていました。
地方分権を進めるために調査審議を行っている、地方分権推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)において、今ここが、中央政府から地方政府に権限を移すことができる事務事業はないか、各省にヒアリングをかけながら進めていますが、各省ともほとんどゼロ回答であるとのこと。
また、地方への権限の委譲に応じて、国の地方出先機関の整理統合も進めたい考えですが、これについても各省ともゼロ回答です。
地方分権推進委員会は、以前にも存在しましたが、今回のものは安倍前政権の頃に成立した「地方分権推進法」を受けて、分権を進めるためにできたもの。
このような法律を作り、委員会を作ったことで、与党は「分権を進める」と宣伝していましたが、私はこのような形だけの取り組みで、実質的な分権はほとんど進まないことを確信しています。
これまでもそうでした。このような法律、委員会が各省と折衝するのですが、結局政治の側、すなわち与党が本気で分権を進めようとしていないので、各省とも権限を手放そうとは絶対にしません。
与党と中央官僚機構のもたれあいの中で、与党は中央官僚の既得権益を守り、中央官僚は与党の既得権益を守ります。その結果、中央の権限を地方に渡すなどということはおよそ進まないのです。
政治の後押しのない中で、分権を推し進めようと孤軍奮闘されている分権推進委員会のメンバーの方々は本当に大変です。真の分権は政治が変わらないと進みません。
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