金融サミットが終わりました。このサミットに向けて、「世界の基軸通貨としてドルは今後も続くのか」という問いが提示されました。
このような問いを最も強く投げかけたのはサルコジ仏大統領。それに対して、当然ブッシュ米大統領は基軸通貨としてのドルを守る姿勢を明らかにしていますし、日本もそれを支持しています。
今回のサブプライムローン問題は米国発でした。また今回の問題で、米国経済は深く傷ついています。そういうところから、ドルは今後も世界の基軸通貨でいられるのか?という問いが投げかけられているわけですが、私は、今回のサブプライムローン問題を経た後でも、ドルの基軸通貨性は変わらないと予想しています。
なぜなら、国際金融市場は短い記憶しかもたないからです。
国際金融市場は今回のように激震することがあります。過剰なほど振れることもあります。しかしその記憶は結構短いというのが私の実感です。
90年代後半、ロシア、ブラジル、アルゼンチンなどが財政赤字の増大から経済危機を迎えました。世界の投資家は先を争うようにこれらの国の市場から逃げ出しました。国家の債務不履行という状況でした。世界の投資家は大きく傷つき、その頃、「ロシア、ブラジルへの投資は当分戻ってこないだろう」と言われたものです。
それが結果はどうだったか。その後の世界的な景気回復、資源高などに後押しされる形で、これらの国々の経済は急回復し、それどころか世界からのこれらの国への投資もあっという間に戻っていきました。
私はこの様子を見るにつけ、「金融市場の記憶は短いんだな」とつくづく思ったものです。
もちろん、今回の金融危機は百年に一度の規模だと言われています。しかし、今のところ、米国に代わる世界経済の超大国は見当たりません。サルコジ大統領は「ユーロ圏だ!」と言いますが、今回の金融危機に対する、欧州のまとまりのない対応を見ていると、ユーロが基軸通貨たる役割を引き受ける実力を持てるかは疑問です。
このようなことから私は、ドルの基軸通貨性は続くのではないかと思います。
コメント
コメント一覧 (5件)
17日、民主党はまたもや、政局しか興味のない国民無視の政党であることを露呈しましたね。今日言い出して今日中に党首会談しなければ採決拒否って、ワガママ小僧ですか?今まで麻生総理サイドからの再三の党首討論の申し入れから逃げ回っていたくせに。誰が見ても先に採決拒否ありきで、金融政策を妨害したとのそしりを免れるための方便に党首会談を使ったとしか思えません。ここを見ている皆様、こんな政党が支持できますか?
そもそも国会において党首討論の導入を言い出したのは小沢氏です。なのに国会での公開討論からは逃げ回り、非公開の会談にしておいて終了後に相手を非難する。そしてマスコミはその小沢氏側の主張だけを垂れ流す。お決まりの情報操作です。小沢氏は筋道立てて反論されたら答えられないと分かっているのです。そしてその醜態が視聴者の目にさらされることを恐れているだけのチキンです。
法案出してもらわないと、反対闘争できませんし…
そう遠くない時期に出るでしょ>第二次補正予算
経済がグローバル化している以上、法案は金融サミットの結果待ちだったんでしょうしね。
基軸通貨(決済+価値基準+価値保蔵or投資)について:
サウジアラビアが原油代金をUS$で受取る限り、輸入国は決済通貨US$を用意します。サウド家の存続が米軍に依存する限り、サウジはUS$決済を選ぶでしょう。US$が決済通貨であれば価値基準通貨もUS$のままです。
主エネルギー源が原油以外に変化するか、油田地帯の支配者が交代すれば、話は変わりますが、どちらも今のところ可能性は低いです。
そう考えると、IMFへの1000億$出資とインド洋上給油はリンケージです。局面が変われば、どちらも引き上げることはできます。
一方、価値保蔵or投資通貨は御説のように「短い記憶」で変化しますから、サウジも分散投資はするでしょう。円もこれで買われたこともあれば、逆に売られたこともあります。
EUROは地域決済通貨にはなりえますが、元やルーブルは地域決済通貨としても無理でしょう。資本移動を自由化して国際流動性を高めても管理ノウハウが欠如ですから。円も無駄にコストのかかる国際通貨化などはやめて、スイス・フランをお手本に、独立通貨&変動レートを堅持するのが国内経済安定の基本です。
TK43さんのレスに賛同します。
ところで、引用されている写真ですが、国旗と天皇家のお写真が写っていますが、民主党支持母体の日教組にお叱りを受けませんか?て、要らぬ世話か。(ーー;)