消費税の2011年引き上げについて、麻生総理と自民党内の綱引きが、玉虫色の決着で落ち着いたようです。(しかし決着の内容が、本当にわらりづらい!)。
民主党側は消費税引き上げについて、自民党内から造反が出ることと期待していたのだか、玉虫色決着となったことで、今後の国会審議においての「攻め手」を失った、と報道されています。
確かに、2011年に消費税を引き上げるということが明らかに付則に書かれることになっていたとしたら、それが本当に適切なのかということを国会の場で厳しく問うていくことになっていたと思います。しかし玉虫色の決着となったことで、少なくともそのような議論はおきません。
ただ、私は「攻め手」を失ったとは考えなくてもよいのではないかと思います。消費税の2011年引き上げが明らかにされなかったのは、そのほうが現状では政策としてよかったからであり、それはそれとして受け止めて、その他の論点があります。
「攻め手」を失ったとありますが、まさに、日銀が2008年度=マイナス1.8%、2009年度=マイナス2.0%と予想するような、恐ろしいほどのマイナス経済成長が予想されている中で、麻生内閣が有効な手立てを打ち出していないということが、とりもなおさず「攻め手」がないかのごとき印象を醸し出している背景となっているのではないでしょうか。すなわち議論するほどのものが打ち出されていないのです。
そうであれば、地味ではあるけれど、「経済対策はどうなっているのだ」ということを、真正面から問うていくことが正攻法なのではないかと思います。少なくとも「定額給付金」がその解答ではないことを、国民は正しく認識していると思います。
地味でも、正攻法の国会論戦であるべきだと私は思います。
コメント
コメント一覧 (3件)
「攻め手を失った」のは、政策より政局が好きな新聞やテレビの政治部でしょう。
有権者は、政局より政策を重視し、自民党と民主党のどちらに将来を託すかを注視しています。
公務員の渡り斡旋禁止、無駄な歳出の削減、特定財源の一般財源化、効率的で公正な社会保障(小生は負の所得税を推奨します)、道州制による地方経費の削減、潜在成長力(供給能力)の拡大(生産性、医療、初等教育、環境など)、議論する課題はたくさんあります。
自民党改革派が「平場の議論」なるもので安心して妥協した問題点を、国会審議で質せば、彼らや彼らを支持した人々の琴線にも触れるでしょう。
健康に気をつけて、「正攻法で」がんばってください。
民主党は外国メディアからは次期政権党とみられていますから、NCの皆さんには慎重な発言を御忠告願います。
http://jp.reuters.com/article/forexNews/idJPJAPAN-36048320090123
経済政策の目的と手段を取り違えておられます。基軸通貨とは何かも、資本移動の自由化も、御存じないかのようなご発言です。
大串さんや大塚さんは慎重で安心できますが、自民党の失言大臣張りの方がおられるようですから、トップに進言して慎重な人選と発言を維持してください。大事な時です。
「経済政策はどうなっているのか」と問うだけなら私でもできます。政治家なら「経済政策は今後こうあるべきだと思うがどうか」まで踏み込んで批判をしていただきたい。そうして初めて建設的な議論になるのだと思いますが如何?
それから玉虫色の決着と非難されてますが、玉虫色のどこが悪いのでしょう。現実の政治とはそもそも妥協の産物であり、妥協を認めない政治を全体主義と呼びます。マスコミ論調は安っぽいだけですよ。