今日、衆議院本会議において、いわゆる臓器移植法改正案についての採決が行われました。
見直し規定の期間が過ぎてすでに長きにわたり、立法府としても判断を下さなければその責務を果たせないときにまで及んでいたと思います。
AからD案までの各案が提出されました。臓器移植に対する考え方、意思表示のあり方に関する考え方、そして個々人の死生観にもかかわる問題であって、私自身も大変悩みながら考えてきた課題です。
結果としてはA案が可決されました。私自身は、最後まで熟慮の結果D案を支持するつもりでいました。
「脳死を人の死とする」A案の考え方については、今の日本における「死」に対する一般的な考え方、社会制度などから「人の死とする」というところまではいけないと考えました。衆議院厚生労働委員会での質疑において、A案提出者の側からもこの点についての答弁がやや揺れたのは、まさにこの点の難しさを反映していたのではないかと思います。
他方、その中で、現在日本において移植の実例が極めて少ないことに鑑み、これに対して適切な範囲において進めることを考えた場合に、親による子どもへの虐待などの可能性に対してセーフガードを加えたD案が、各案一長一短ある中でも、とるべき案ではないかと考えたからです。
果たして衆議院ではA案が可決されました。これから法案は参議院に送付されます。参議院においても充実した審議が行われ、この困難な課題について立法府の意思がしっかり示されることを期待します。
コメント
コメント一覧 (8件)
献金のために人を殺した鳩山のように臓器のために殺す人も出てきそうで恐いですね。
>臓器のために殺す人も出てきそうで恐いですね。
こんなときに、こういうことを書き込む人の気が知れません。決して茶化すものではないと思います。
①今回も長文ですみません。
昨日の臓器移植法改正案採決で「脳死が人の死」となるA案が通りましたね。今まで移植対象外だった15歳未満の子ども達にも国内で移植が可能になることには私も賛成ですが、「人の死を生きた状態の脳死で確定させる」ということにまで進ませたことには反対です。
今後、脳死状態の患者への延命処置禁止が医療現場で起きる可能性がありますし、更に、「脳死」と判定される前から「脳死と同じ状態にしかならないであろう絶望的な状態」という判定がなされるようになり、治療も大して行われないまま移植可能体として扱われる可能性が出てくるのではないでしょうか?
自分が移植の必要な子を持つ親ならば…と悩んだ事がありました。結果として、子どもにも話したのですが、人様への協力は輸血までしか出来ないので、輸血と、家族間でまかなえる骨髄と臓器移植以外は求めないことにしています。それ以上は「助け合い」を超えていると思ったからです。
②医療の進歩や前向きな思考には逆行しているとは思いますが、「諦め」というよりはむしろ、現実を受け止め・受け入れたいという思いです。
今回、麻生首相と鳩山民主党代表はA案に反対され、ホッと致しました。
もし、民主党が与党になったら、どうか今回の決定を更に改正して下さいます様に、今からお願いしたいと思います。
臓器移植を待つご家族には大変申し訳ないのですが、もし、今後脳の移植も可能となったとしたら…
脳以外の臓器移植を待つお子さんたちの心臓が止まった瞬間、脳死状態のお子さんに脳移植をすると言われたらどうなんでしょうねぇ…。脳がダメなだけで身体は毎日成長するのですし、心臓停止で亡くなった体の移植は可能ですから…。そういうことを考えたら、何もせずに死を受け入れた方が楽になった私です。
③すみません、書きそびれていました。
A案に賛成した議員の中に、民主党議員さんは何人おられましたか?
そして、どなたが賛成なさったのか…知りたいです。
自民党もその他の党でもどうだったのでしょう?
報道では、麻生さん、鳩山さん、小泉さんのことしかなかったので…。
要するに、「意思表示できぬ者に生きる資格なし」なんだね。
A案賛成者(主な方)
岡田克也、小沢一郎、小泉純一郎、森喜朗
↑の名無しさん、教えて頂きありがとうございます。
こちらにコメントを送った後、他の議員さんのブログやネットニュース・新聞等で以下のことまではわかりました。
A案には、
自民党の67%=202人、民主党の37%=41人、公明党の39%=12人が
賛成し、社民党は全員が反対、共産党は棄権。
有名どころの投票結果:
賛成者= 自民党:河村建夫官房長官、細田博之幹事長、小泉元首相、
森喜朗元首相
民主党:小沢一郎代表代行、岡田克也幹事長
公明党:北側一雄幹事長
反対者= 自民党:麻生太郎首相
民主党:鳩山由紀夫代表
公明党:太田昭宏代表
棄権(欠席)者= 自民党:与謝野馨財務・金融・経済財政相